2014年 06月 17日
月のころはさらなり。
東洋医学では、身体を、大いなる自然のなかの一部と捉えます。
したがって、患者さんの身体も、
その日、そのときの大いなる自然、天候気候、世界の情勢の一部であるが故に
治療においても、ただ、その患者さんの症状だけを診るわけではありません。
地球は太陽と月に少なからず影響をうけていますから、
ひとの心身も太陽と月の影響をうけています。
今日は太陽暦でいうところの六月十七日。
太陽暦ではもうすぐ夏至(太陽黄経90度)ですね。
[夏至]とは、二十四節気の一つで、
北半球では太陽が最も高く、昼間の時間が最も長くなる日。
天文学的には、太陽が黄経90度の点を通過する時。
菖蒲が咲き始め、半夏(烏柄杓)が生えてくる頃であります。
東洋医学的には、一年のうちで最も陽気が高い日となります。
さて、月暦でいうとこの六月は
満月が十三日
新月が二十七日
月の暦でいうと、ひとの心身に最も力を及ぼすのが満月です。
ひとの心身は月の満ちるにあわせて気血が旺盛になるわけです。
弱っている身体は
満月の力を借りて症状が軽減しますし、新月のときには月の助力がないので症状が悪化する場合すらあります。

この本の月についての言葉は、なかなか参考になると思います。
太陽の去就、月の満ち欠け、潮の満ち干きは、波のうねりのようにあらわれますが、
西洋流の力学では
極大、極小の極地が重視されております。
それに対して、東洋医学の陰陽論では
[坤][復][臨][泰][大壮][夬][乾][こう][遯][否][観][剥]という12の位相のうち、
極小からの立ち上がりは[復]という位相であり、他の11の位相とともに重視するとあります。
往々にして、自然の大きなうねりの波のような力の位相において、ぴたりとした極小、極大の極地ではなく、すこし間をおいた[復]の位相で影響があらわれていることを鑑みて、
満月や干潮の極地点よりすこしひいたところでの影響をもみていかねばりますまい。
天の太陽と月とともに変化し続ける心身とむきあい、
その症状の揺れ幅も考慮して治療できるのが
悠々とした東洋医学のよいところだと思うものであります。
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