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医者の養生

今から三百年ほど前の江戸時代に、貝原益軒という人によって書かれた『養生訓』という書物があります。

聞いたことのある方も多いかと思います。
現代語訳も出ております。

この『養生訓』の中に、「薬や鍼灸よりも養生」といったものがあります。
記載してある内容に疑問を感じる部分もあるのですが、養生の大事さということではまさにそのとおりであります。
よく養生すれば病気にはなりません。

【伝統鍼灸かみなり】でもここは重要視しています。
ただ治療して終わりではありません。
普段気をつけておくべきこと、やった方がよいこと、やってはいけないことなど、必ず患者さんに伝えます。

寝不足で起こっている病ならば、寝ないと治りませんよね。
食べ過ぎが原因ならば、減らすことです。
これをそのままで治していくというのは、できてもよいことではないと思います。

ただ、養生しにくいことがあるのも確かです。
職場の上司との人間関係がうまくいかなくて、ストレスによって起こっている病の場合、単純に解決できるものではありませんし、過食にもストレスが絡んでいる場合が多く、拒食とも隣り合わせで精神的な病を抱えている方も多いです。

ストレスそのものに対して何かすることはできませんが、治療としてはストレスに過敏に反応している身体を、受け流せる状態に持っていくことをします。

そのような普段の心のありようも含めて養生なんでしょうが、みんながみんなできるわけではありません。

そして『養生訓』でも「良医を選ぶこと」と言っております。何も養生だけで何とかせい!と言っているわけではありません。

二人三脚で治療をし、最終的には自分の養生で過ごせる状態にし、たまに状態を診せにいくというのが理想かなと思います。

僕もたまに診てもらいます。悪くなくても。自分だけではわからないものってありますからね。



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by shinkyu--kaminari | 2014-08-09 21:00 | 東洋医学 | Comments(0)