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精密検査

西洋医学の進歩とともに、検査もより細かいことまでわかるようになっています。

「精密検査」というものを受けることに対して、
僕が東洋医学の考えで治療をしているものだからといって否定することはありません。
検査の数値が参考になることもあります。

しかし、精密検査が訴えている病態を表しているものとは限らないこと。
ある側面を表しているものであり、絶対ではないという認識をもって臨んでほしいと思っています。

なぜある側面でしかないというと、精密検査の結果、出てきた数値から原因を推測するからです。
画像に写っているもの、抽出された数値をくみあわせ、推測し、問題の原因を見出そうとします。
数値からなにをみいだし、推測するか、そこは患者さんを診るひとの素質、能力に依るため、もしかしたら東洋医学の種々の学を網羅した見識を自在にあやつり、患者さんの問診をする僕の鍼の師匠ほどに、この精密検査の結果から患者さんの現状を紡ぎとり、把握できるお医者さんもいらっしゃるとは思います。

しかし、世にいろいろな鍼灸師がいるように、
精密検査の結果の数値なり映像を単純に自らの器に鑑みて短絡的にあてはまる病変に結びつけてしまうお医者さんもいるわけです。
異常を訴えてきた患者さんの精密検査に、少し変わったところが見つかれば、実はそれが真の原因でなくても、取り去るべき原因と捉え、手術するなり薬でたたくなりの手段をとってしまう。

患者さんのほうも、細かく調べれば核心に迫れると思って検査を受けるのでしょう。
しかし、細かく診ることによって本質から外れてしまうこともよくあるのです。

「精密検査」をすることになったといって予約をキャンセルした方がいました。
ひどい肩こりで来院し、一度しか診ていませんが、直後効果もよかった。
しかし僕の治療のあとに、すでに治療をお願いしているところがあったみたいで、そこで「精密検査」をすすめられたようです。
するだけならいいんですけど結果によっては切ったり貼ったりになり得ますからね。

一度の治療で鍼だけで行ける、大丈夫だと認識させることができなかった僕の責任なんですけどね。
現代の人はトータルで見てゆるくバランスのとれた自己の安定よりも、
即時に人に決めてもらった基準値内に自分を押し込んでもらうことに安心するんでしょうか。

なんか悔しいというか、残念というか、複雑な感じです。
いい選択をされることを願っています。
べつに僕の治療である必要はありません。
ただ「精密検査」というのは治療ではないので、その後どうしていくか。その後の自分の生き方の構築。

非常に大事なことだと思います。


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by shinkyu--kaminari | 2014-11-14 20:30 | いわゆる… | Comments(0)