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鍼灸というもの

「私はどこも悪くないんで、どこか悪くなったら行きますね。」

先日母親の知人からこんなことを言われました。

そこで

「いや、悪くなってからももちろん診ますが、そうならないように診ていくのが一番いいんですよ。」

ということを伝えました。

「未病治」

このことばを知ってはいても、それが鍼灸によってどのようになされるか、ということは認知されていないし、同じ流れとして認識されていないのだと思いました。

もちろんみんながそうだというわけではありませんが、明らかにそういう人たちはいます。

良い状態が白、悪い状態が黒だとしたら、いきなり白から黒になるわけじゃないですよね?

そんなデジタル的な転換をするわけではなくて、アナログ的に移り変わっていくわけです。

グレーゾーンがあるし、グレーの程度も違うわけです。

そのグレーを白に近づけておけば、黒になるということはありません。

それを鍼灸でやるということです。

清流は濁らず、なんて言います。

流れが滞ると濁る。
流れなくなれば水も淀むし、もともとなかったものが発生する。

自然も人も同じです。

筋肉に深く刺して奥を緩める、ということが鍼のすることではありません。

気を動かす。

停滞していたら動かす。
足りなかったら補う。
熱してたら冷ます。

そういう気の操作を行うのが鍼です。

まぁことばで理解するより体感することが一番ですね。


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by shinkyu--kaminari | 2020-10-15 23:45 | 東洋医学 | Comments(0)