2023年 08月 03日
痹証(ひしょう)の腰痛
ふさがって通じない、ということを意味する「痹」
こう称される証があります。
関節が腫れたり強張ったりするのですが、多くは外邪の影響で起こります。
外邪とは外から受ける邪気。風、寒さ、暑さ、湿気、乾燥など。
朝からなんか腰が痛いなぁ〜、という原因がこういうことによる場合もあるわけです。
特徴としてまず挙げられるのが、スターティングペイン。
動作のはじめに痛むというもの。
これがあれば必ず「痹証」というわけではありませんが、疑う必要はあります。
逆にスターティングペインがないからといって「痹証」じゃない、とも言い切れません。
腫れがあり、痛みが強い場合、動作時じゃなくても痛みます。
1週間くらい前から痛みだし、歩いていたり、動かしているときは痛くないけど、座っているところから動き出したり、朝起きがけに痛む。
「最近ゴルフをやるようになったからかなぁ〜」なんておっしゃる患者さん。
それは情報としてインプットはしますが、本当にそれが原因かはわかりません。
最近といっても、聞いたら2年前から、ということだし。
ここ1、2ヶ月、家をリフォームしているから、それが完成するまで普段より狭いところで暮らしているとのこと。
あまり寛げてない。
それは原因になりそうと思ったけど、週末健康ランドのようなところでしっかり寛いでいるとのことで、どうやらあまり原因ではなさそう。
そうすると、この時期気になるのはエアコンのこと。
聞くと、寝るときは、奥さんは冷えるの嫌いだから、設定高めで自分のところには扇風機が固定であたっている。
さらに、会社のエアコンが壊れていて、動かないわけではないけど、朝は寒く、昼以降暑くなるようなコントロールが効かない状態だということがわかりました。
暑さ、寒さによる「外邪の影響」。ありそうですね。
診ると左の外関、左の申脈に冷えと発汗。
脈は浮緩。
痛みは左腰。薄いシートが覆っているような質感。
左の申脈に補法。
外関も温もり、ゆるい脈が締まりました。
起きて立ち上がっても痛くない。
めでたしめでたし。
ありがとうございます!
by shinkyu--kaminari
| 2023-08-03 20:30
| 東洋医学
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