全身をお願いしたい？？

稀に問い合わせ、というより、今すぐかかりたい、というニュアンスでお電話いただくことがあります。

急場凌ぎという感じですかね。

ノリ的にはクイックマッサージに近いとも思うのですが、クイックマッサージではどうにもならないことがわかっているのでしょうね。

今回の訴えは、「全身をお願いしたい」。

なんとなく言いたいことはわかったので、聞き直しました。

僕「全身に鍼をしてほしいということですか？当院ではここが痛いからここに、全身が固まっているから全身に、という治療はしていないんです。そうなっている原因は何か、ということを今までの状態や、今の生活状況を伺い、からだの状態を診た上でそれを改善するための鍼をします。それでもいいですか？」

相手「響かせることもしないんですか？」

僕「はい。」

それならば結構、ということで来院はしませんでした。

他のもいろいろ受けたけど、良くならないということを言っていたので、ならば受けてない僕のやり方を試してみてもいいとも思うんですけどね。

縁がなかったということで仕方ありません。

でも固定観念はもったいないです。

「全身の状態を良くするには、全身に何かしないと」

という考えは論理的なようで論理的ではありません。

何かが間違っているから、何かが良くないからそうなるわけで、その何かがわかって、それを改善するキッカケを作れば改善するのです。

それが複雑であったり、頑固であれば時間を要します。

その複雑さは痛みの強さや、症状の長さ、病の重症度に比例することはありますが、そうでないこともあります。

診るまでなんとも言えないのです。

真剣に自分のからだを考えていない人にも、当院をキッカケに考えるようになってほしいと思いますが、そのための来院に誘導するトークを躍起になってするつもりはありません。

患者さんを待たせて電話の応対していますしね。

でも、鍼は全身にするもの、という考えは未だにしつこくあるものなんですね。

そういう施術者がまだまだいるのかな。

鍼の本質はそうじゃないんですけどね。

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