その名前は？

「漢方薬を飲んでます。」

こういう患者さんは結構います。

特別不思議なことではないし、鍼灸を受診しようとするような方ですから、西洋医学の薬を飲むより当たり前に服用していると思います。

でも、「何を飲まれてますか？」という問いにすんなり答えてくれる方は少ないです。

全くわかっていない方もいれば、番号で答える方、なんとなく漢字一字だけ覚えている方とまちまち。

これは危険なことでもあります。

漢方薬はその状態に合っていればもちろん有効であり、害になることはありませんが、この症状だからこの漢方薬、という単純に処方できるものではありません。

だから、不眠症だから、便秘だから、浮腫んでいるから、ということに対して決まったものがあるわけではなく、同じ症状であっても、処方する漢方薬が違うことは多いのです。

「『桂』がつくやつ飲んでます。不眠に効く、、、」

これだと何のことかさっぱりわかりません。

それらしいものとして「桂枝加竜骨牡蠣湯」が検索すると出てきますが、全くその人には合致しない漢方薬。

それなら正直飲まない方がいいわけです。

適当に飲んで、あまり効かないなぁ、なんていう勝手な感想を持ったりしますし。

市販されているものには、主に効く症状が目立つように書かれていますが、自分で勝手に診断して飲むのは得策ではありません。

僕も処方できるほど詳しくはありませんが、少なくとも「これ飲んでもいいですか？」という質問には答えられます。

ですから、名前はしっかり覚えてほしいですね。

それで自分でも調べて、なるほど、こういう目的で薬が働いているんだ、と理解することができ、より自分のからだのことがわかるようになると思います。

結構大事なことだと思います。

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